積立NISAと通常NISAのどちらを選択すれば良いか?
FIREを目指そうとしている方からも、よく頂く質問です。
本記事では、どちらの選択が良いかを比較してみます。
積立NISAと通常NISAを論理的に比較
結論
- 論理的には積立NISAが有利
- 条件に当て嵌まる場合のみ、通常NISAを選択
理由
積立NISAの方が合計の非課税枠が大きいことで、節税額が増えるから。
NISA枠は非課税枠を最大化し、利益に対する税額を最小限にすることが大切です。
具体例
複利効果を無視すると非課税枠は以下です。
- 積立NISA:40万円 * 20年間 = 800万円
- 通常NISA:120万円 * 5年間 = 600万円
次に複利効果を考慮して非課税枠を比較します。含み益により実質的な非課税枠を増やせるので、これを活かします。
仮に期待リターン5%で投資した場合、非課税枠は以下のようになります。(シミュレーション結果の詳細は後述)
- 積立NISA:1389万円
- 通常NISA:696万円
この場合の節税額を比較すると以下です。
- 積立NISA:約13.2万円
- 通常NISA:約6.6万円
非課税枠も節税額も約2倍の差になります。積立NISAを選択した方が良いという最大の理由です。
通常NISAで積立NISAと同様の非課税枠と節税額を得ようとした場合、期待リターンが9%以上必要になるので、簡単に通常NISAが有利にならないです。
ここでは、期待リターンを5%としていますが、それ以上のリターンになった場合は非課税枠と節税額の差が大きくなり、益々積立NISAが有利な状況になります。
期待リターン5%のシミュレーション
投資年数 | 積立NISA | 通常NISA |
---|---|---|
当初 | 40万円 | 120万円 |
1年 | 42万円 | 126万円 |
2年 | 44万円 | 132万円 |
3年 | 46万円 | 139万円 |
4年 | 49万円 | 146万円 |
5年 | 51万円 | 153万円 |
6年 | 54万円 | |
7年 | 56万円 | |
8年 | 59万円 | |
9年 | 62万円 | |
10年 | 65万円 | |
11年 | 68万円 | |
12年 | 72万円 | |
13年 | 75万円 | |
14年 | 79万円 | |
15年 | 83万円 | |
16年 | 87万円 | |
17年 | 92万円 | |
18年 | 96万円 | |
19年 | 101万円 | |
20年 | 106万円 | |
非課税枠合計 | 1389万円 | 696万円 |
損益 | 66万円 | 33万円 |
節税額(税率20%) | 13.2万円 | 6.6万円 |
※税金20%で計算
※期待リターン5%の配当金が出ない投資信託を想定
※1年目の頭に上限(40/120万)投資した物として、その年末の期待資産額を記載
それでも通常NISAを選択する場合
何かしらの理由により、以下3つに当て嵌まる場合です。
- 個別株に投資したい
- NISAの投資期間を短くしたい(年齢の都合など)
- 短期的に集中して投資したい
積立NISAと通常NISAの非課税枠と節税額の差以上に、これらの価値が大きい場合のみ通常NISAを選択するということになります。
まとめ
- 期待リターン5%で比較すると、非課税枠で約2倍、節税額で7万円の差がある
- 非課税枠と節税額の差から、ほとんどの人は積立NISAを選択した方が有利
- 非課税枠と節税額の差を覆すほどの理由がある場合のみ通常NISAを選択
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