普通の人のための投資: いちばん手軽で怖くない「ゆとり投資」入門を読了

桶井道さん(@okeydon)から、新刊 『普通の人のための投資: いちばん手軽で怖くない「ゆとり投資」入門』 をご恵贈いただきました。

著者はこれまでに「FIRE本」「米国ETF本」「新NISA本」「高配当株・増配株本」などを出版されており、今回の書籍は5冊目となります。

今回の書籍では、これから資産形成や投資を始めたい方に向けて書かれています。

無理のない節約術を通じて投資資金を準備する方法から始まり、投資信託を活用した「負けないポートフォリオ」の作り方、そして平均点を超える成果を目指すための戦略の立て方まで、順を追って解説されています。

本書の内容に沿って進めていけば、初心者でも無理なく投資を始められる構成になっています。

「ゆとり投資」というキーワードが印象的で、最低限の努力で平均点以上の成果を出すためのノウハウが詰まった1冊という印象を受けました。

それでは、本文の中で特に気になった部分をいくつかご紹介したいと思います。

著者プロフィール

桶井道さんは投資歴20年以上の個人投資家で、物書きです。

社会人になりすぐに給与の多くを貯金に回し、それを元手に25歳で株式投資を開始。

「労働+節約+貯金+投資」の歯車を回すことで、2017年、43歳で資産が7200万円になったのを機に時短社員にダウンシフト。

その後も投資に取り組んで、2020年、47歳で資産1億円とともに約25年間勤めた会社を早期退職。それから4年で資産を1.8億円にまで成長されています。

投資先は世界30か国の高配当株や増配株、ETF、REITなど幅広く投資。

現在はご両親の介護・見守り、 家事をしつつ、単行本や連載、ブログなどを通じて投資やFIREに関しての情報を発信されています

投資の目的は、お金「ではない」

本書では、「投資は生活を豊かにする手段である」と述べられています。

著者は自身の持病や介護の経験を交えながら、投資を活用して生活を豊かにする考え方を丁寧に説明しています。

  • 投資でお金を増やすのは「手段」にすぎない
  • お金が増えることで人生の選択肢が広がる
  • 選択肢が増えることで生活が豊かになる
  • 大切な人のために「仕事を辞める自由」を得られる

私自身も、投資を通じて資産形成を行い、会社員を辞めてFIREしています。

著者がご両親のために選択をしたのに対し、私は配偶者や子供たちのために選択をしました。

立場は異なりますが、同じように「大切な人のために生きる」という選択ができたのです。

結果として、仕事一辺倒だった生活から離れ、家族と過ごす時間が増え、生活が豊かになったと感じています。

もちろん、全ての人が同じ選択をすべきだとは思いません。

しかし、投資を行ったことで「そういう選択を取れる状態になった」という点が非常に大きいのです。もし投資をしていなければ、この選択肢は得られなかったでしょう。

このように、投資によって生活が豊かになるということを、私も強く実感しています。

誰でも楽しく投資ができる「二刀流」節約術

今と将来の両方を楽しむために、「価値」に優先順位をつけ、それに基づいてムリなく投資資金を作る方法について書かれています。

ムリせずに作ったお金を投資に回すことで、65歳までに4,500万円もの資産を準備できる仕組みが解説されています。

  • 「価値のランクづけ」で10年後の人生が変わる
  • 「だらだら+ぼんやり」支出を見直すだけで4,500万円
  • やればやるだけ種銭が増える「鬼の節約術」

私たち夫婦も以前は闇雲に支出を削っていました。

しかし、その結果「お金は貯まるけれど幸せじゃない」という結論に至り、夫婦で価値観を見直すことにしました。

そして、お金の使い方に優先順位をつけるようになってからは、現在の生活を豊かにしながら、将来のための貯蓄も両立できるようになりました。

本書では「鬼の節約術」として、「働くのは都心でも、住むのは郊外」「訳あり商品を選ぶ」などの徹底的な節約方法も紹介されています。

私自身も一度試してみることをおすすめします。徹底的な節約に取り組むことで、自分の価値観の本質が見えてきて、本当に必要なものとそうでないものを区別できるようになります。

必要なことだけに集中することで、今の生活を豊かにしながら、資産形成もスムーズに進められることを実感しています。

「節約が上手くいかない」「お金は増えても幸せを感じない」と悩んでいる方には、ぜひ読んでいただきたい内容です。

コアを固めて負けないポートフォリオをつくる

本書では、安定的な資産運用を基盤に、一部で積極的な投資を取り入れる「コア・サテライト戦略」が推奨されています。

まず「コア」をしっかり決め、投資資金の70%以上を「コア」に充てることが勧められています。

  • どれを選ぶか迷ったらこう決めよう
  • 余計な知識は不要
  • いつまでも普通の人でいる

本書を参考にすれば、投資初心者でも「すぐに」平均的な成績を安定して得られる方法がわかります。

新NISAの導入などで投資環境は劇的に改善され、初心者でも投資を始めやすくなりましたが、選択肢が増えすぎて迷う方も多いのではないでしょうか。

日本には約6,000本もの投資信託があり、その中で新NISAのつみたて投資枠に該当する投資信託だけでも約300本。

この膨大な選択肢の中から、自分に合った「コア」となる商品を選ぶのは、初心者にとって難しい点です。

本書では、具体的におすすめの投資信託が紹介されていますので、迷わず確実な選択ができるでしょう。

また、「いつまでも普通の人でいる」というメッセージも印象的です。どんなに好成績を収めても調子に乗らず、コア商品への淡々とした積立投資を続けることが重要だと述べられています。

初心者が「どれを選ぶべきか」という迷いを解消し、安定的で負けにくいポートフォリオを作るための具体的なヒントが詰まっています。

最後に一言

本書は、「お金の話にはもううんざり…」という方に向けて、無理なく資産形成を始めるためのシンプルな方法をわかりやすく解説してくれる一冊です。

複雑な知識や面倒な手間をかけずに、確実に将来のお金の不安を減らす方法が丁寧にまとめられています。

私自身も、資産形成を進めたことで生活の選択肢が広がり、仕事のペースを調整して子どもとの時間を増やすことができました。

もちろん、仕事を頑張ることで得られる豊かさもありますが、選択肢が増えると、自分や家族にとって本当に大切なことに集中できるようになるのだと実感しています。

投資は難しいもの、特別な人がやるものというイメージを持っている方も多いかもしれませんが、本書はそのハードルをぐっと下げてくれます。

「資産形成を始めてみたいけれど何から手をつけていいかわからない」という方に、まず読んでほしい一冊です。これをきっかけに、将来に向けた一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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