アラサー夫婦の不妊治療821日間の記録 -不安・悲しみ・喜びの日々-

我が家の821日間の不妊治療の記録

不妊治療に実際に掛かった費用、通院スケジュール、その時にどういう心境だったかを中心に纏めていきたいと思います。既に不妊治療を始めている方、これから不妊治療を考えていている夫婦に、少しでも参考になる情報をお伝えできればと思います。

タイミング療法~初回妊娠の期間

通院の前から基礎体温を測り、排卵検査薬でタイミングを計っていたいたので、正直そこにエコーでの卵胞の大きさをチェックするのが加わったからといって、妊娠効率が上がるとも思えない時期でした。なぜなら、お互い仕事が忙しい中でも、排卵日前だけをねらって性交をしていたわけではないからです。

開幕戦と称して、精子の寿命を考えつつ1~2日おきに、排卵が起こるであろう1週間前後はタイミングをとっていたからです。妊娠率を高めるにはやはり数打つことが重要だからです。

ただ、余談ですが、ちょうど排卵日前はホルモンの関係なのか私は意味もなくイライラすることが増えたり、また主人もタイミングが悪く仕事が忙しい時期だったり、喧嘩することが多くて良い環境だったとは言いにくいです。恥ずかしながら、ひどいときは今回は見送るか、見送らないかと喧嘩になって泣きながら取り組んだこともあります。そもそも「子作り」をメインとした性交ということで、普通のコミュニケーションを前提としたそれとは違うのですから、割り切って、いかに上手く取り組むかということが大事な時期でした。

流産期間

前の診察の時に予定より小さいと言われ覚悟はしていました。悪阻(つわり)はもともと無かったのですが、明らかに胸の張りが無くなったのを感じていたからです。出血などはなかったのですが、胎児はお腹の中で死んでいました。この場合、このまま自然と出てくる(生理のような出血)のを待つか手術をして掻き出すかの選択でしたが、手術を勧められました。

私が選んだ病院は産婦人科だったので、流産の手術を受けている手術室の横では、出産が行われていました。お母さんのいきむ声、励ますスタッフの声、そして元気な赤ちゃんの産声を麻酔から冷めるまで痛みと闘いながら、ぼーっと聞いていました。お会計の時も、幸せそうな妊婦さんや赤ちゃんであふれかえった受付で待たされて、どういう仕打ちなんだと思いました。このときの私に、それを受け入れる心の余裕なんてありませんでした。

不妊治療再開~タイミング療法の期間

流産の手術後はまずは生理が起きるのを待ちました。周りの人達は「一度妊娠できたから、次も妊娠できるってことだよ」「子宮のベッドがリセットされたから、次は妊娠しやすいらしいよ」と励ましてくれました。私はこの言葉にすがりましたが、ネットをあさっていると、同じような状況の人が不妊になっているというブログもあったりして、不安と恐怖がまた襲ってきました。

そしてここから問題なのですが、いつから妊活を再開するか。手術をした日にはDr.から3ヶ月くらいは開けた方が良いと良いといわれましたが、術後の検診では1回の生理が来たら特には無いよと言われたのです。どうもはっきりとした根拠がないようで、私の年齢も高齢とは言えないのでDr.達も急を要してはいません。ここでやはり大きいのはDr.達からも「一度妊娠できているから」これが大きく作用していました。

夫婦間でもいつから妊活を再開するかすごくもめましたが、結局、2回目の生理開始から自分達でタイミングを計ることにしました。はっきりしたエビデンスが無いのであれば、時間のほうが貴重ではないかと判断したからです。

そしてブログを書いてて初めて認識しましたが、8カ月弱も病院から遠ざかっていたようです。妊娠できないので通院を再開しました。

けど、元の病院ではタイミング療法だけが結局続きそうだったので、ついに思い切って不妊治療専門のクリニックへの門を叩きました。

こちらは人工授精以上からの治療を希望する患者しか診られないと予約時にいわれて、治療のステップアップを期待していたのに、私の今までの検査値をお見せし経緯を説明するとやはり「一度妊娠しているから、普通に妊娠できそう」と言われて、まさかのタイミング療法がここでも続くのです。

先生からは妊娠できる確率は1年に3~4回あって、それをモノに出来る確率が1年に1~2回くらいだろうと言われました。つまり、特に異常が見つからない私たちに一番大事なのは「運」なのではないかって思いました。先生に「どうやったら運が上がりますか⁉」と治療の一環として真面目に聞きたかったです。さすがに聞きませんでしたが。

不妊治療専門のDr.なので、私の焦りが通じたのか、念のため卵巣年齢(AMH)を測ってみようかということになりました。そしたらまさかの結果が出たのです。Dr.からの衝撃的な言葉だったので今でもハッキリ覚えていますが、「年齢の割には卵巣年齢がいっちゃってるねぇ~」と。AMH値が実年齢よりかなり低く43歳の年齢の人の数値だったのです。これが何を意味しているのかというと、私が妊活に取り組める時期が短いということです。

※AMH値は卵巣の中に残っている卵子数の目安値で、卵子の質までは評価出来ないとのことでした。あくまでも卵子の質は女性の年齢が重要ということでした。

人工授精期間

AMH値の結果から、タイミング療法から人工授精へのステップアップをDr.が決意してくれました。とはいっても、人工授精とは精子を直接子宮に送り込むだけのことなので、ヒューナーテストで特に問題が無かった私達にとってはタイミング療法と比べて大きく期待できる物ではありませんでした。

人工授精は統計的には7回目まで確率的には上がって行きそれ以降は頭打ちになりますが、私達は3回目の人工授精で妊娠しなかった結果を受けて、人工授精を続けるかどうかを夫婦で話合いを行いました。

ここまでのホルモン検査、卵管検査、精液検査で異常がなかったので、考えられることは卵管が卵子をうまく取りこめない「ピックアップ障害」、精子が卵子と上手く結びつかない「受精障害」、もしくは受精まで出来ても上手く子宮に着床しない「着床障害」の可能性が高い状況でした。その場合は人工授精では効果がないため、このまま人工授精をする意味が無いと判断し、不妊の原因を追究するために人工授精は3回目で打ち切って早々に体外受精のステップに進みたい旨をDr.に申し出ました。Dr.にも了承を貰うことができ、体外受精のステップに進むことになりました。

体外授精開始~妊娠の期間

体外受精の為にはホルモンを管理するために毎日の注射が大変でした。会社では事前に説明をして迷惑をかけることを詫びて、遅出や早出などをすることで通院時間を確保しました。今思うと、よく仕事をしながら通院を続けられたなと思います。体力的にも精神的にも辛かったですが、「夫との子供が欲しい」という強い思いだけが私を支えてくれました。

採卵は簡単ではありますが全身麻酔を使用した手術でした。流産の手術や胃カメラの検査で全身麻酔を受けたことがあったので、麻酔に関して恐怖はありませんでした。施設や患者の希望で麻酔なしで処置をすることもあるらしく、痛みに弱い私には逆に安心して処置を受けることが出来ました。

夫は仕事を休んで当日は付き添ってくれたので心強かったです。夫からしたら妊活中に出来ることは少ないので(実際の治療に関するものは精液の提供)もどかしかったと思います。メンタルサポートや家事のサポートといっても、やはり難しいものです。もともとそこら辺のスペックが高い夫ではないので、いきなり出来るようになるわけではありません。そこら辺を期待しないことを頑張りました。私が大事にしたのは、上手く言い換えると妊活だけが生活の中心にならないように、いかに普通に過ごすかでした。

採卵数は多すぎず少なすぎずちょうど良く、受精も上手くいき(顕微鏡受精の必要はなかった)、無事にグレードの良い受精卵を作ることができました。つまり受精障害はなかったということは証明されたので、あとは着床の問題です。ホルモンを補充しながらになるので着床障害がなかったとははっきりは言いにくいですが、無事に着床も確認できました。費用も高額なため1回の治療でここまでこられたことはとてもありがたかったです。住む地域や年齢にもよりますが、自治体から高度不妊治療に対して助成を得られるのですが、私たちはダブルワークをしているので収入面で対象から外れていました。

妊娠からクリニック卒業の期間

あとは以前のように初期の流産をしないか、遺伝子に異常がないこと、無事に日にちがすぎることをただただ祈っていました。血栓予防のための薬や、ホルモンの薬を続けていたので大丈夫だと自分に言い聞かせていました。今回での妊娠では悪阻もあり、この人気な不妊治療クリニックでの相当な待ち時間は体に応えました。一度流産を経験しているので、この時期は妊娠できた喜びより、このまま妊娠継続できるかの不安や恐怖の方が断然大きかったので、胎嚢や心拍を確認できても大きな喜びが湧き上がってくる感じはありませんでした。

卒業の時点でも、行った検査の中ではAMH値が低かったこと以外は問題が見つからず原因の特定までは至りませんでしたが、私達の場合は自然妊娠できる状態ではあったけど確率的に妊娠できない方に偏っていた可能性が高そうでした。(Dr.からも2人目の時はタイミング療法で1年ほど様子を見た後に凍結した受精卵を使用しようという話だったので、Dr.も自然妊娠できる可能性がありそうと判断していた様子でした。)

まとめ

以上が不妊治療を開始してからクリニックを卒業するまでの私達の行動の記録になります。各期間で掛かった費用をまとめると以下になります。

タイミング療法~初回妊娠の期間:¥35,600
流産期間:¥11,890
不妊治療再開~タイミング療法の期間:¥69,880
人工授精期間:¥78,200
体外授精開始~妊娠の期間:¥543,720
妊娠からクリニック卒業の期間:¥10,230

金銭的な負担もあるので、全ての子供を望んでいる夫婦が不妊治療を行うべきとは思いませんが、これだけは間違いなく良かったと言えることです。
・検査で自分達の体の状態が分かることで次にすべき行動が明確になる。
・妊娠に対しての知識(特に夫)が深まる。 →我が家は夫婦で話合う時間が増えた。
・妊娠できる状態の場合は、妊娠までの時間が短縮できる

私のように30歳を超えた女性にとっては時間との勝負になりますが、不妊治療には様々なトラブルも発生するので思った以上に時間が掛かることがあります。また、簡単にはステップアップもできません。この為、体外受精まで進めるかどうかは別にして、子供を望んでいるのであれば検査だけは早めに進めた方が良いです。

 

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